税理士が持ってると業務効率を爆上げする便利グッズを紹介
毎年年末の繁忙期になると、時間がいくらあっても足りないと感じる税理士は多いはず。
実は、ちょっとした便利グッズを導入するだけで、業務効率が劇的に変わることをご存知ですか。
ここでは、現場で実際に効果を実感している便利グッズを、実用的な観点からご紹介します。
ハンディスキャナ、書類の山から解放される

デスク上のペーパーレス化、これ一つで実現
税理士事務所のデスクを見ると、請求書、領収書、契約書がいつも山積みになっています。
紙書類の管理は時間と場所を奪うだけでなく、重要な書類の紛失リスクも高めます。
ハンディスキャナは、この問題をシンプルに解決します。
手のひらサイズのデバイスで、書類をサッとスキャンするだけで、PDFとして保存できるのです。
スマートフォンのカメラを使う方法と比べると、ハンディスキャナの優位性は圧倒的です。
スマホカメラだと、撮影後にファイル名を変更し、クラウドストレージに移動し、カメラロールからも削除して…という手間が毎回発生します。
ハンディスキャナなら、スキャンボタンを押すだけで、自動的にPDF化・ファイル名付加・クラウド保存まで進行します。
複合機との比較でも、ハンディスキャナの方が手軽です。
毎日のように処理する書類の時間ロスを削減することが、税理士の業務効率化の最前線だと言えます。
電子帳簿保存法対応で、合法的なペーパーレス化
2024年以降、電子帳簿保存法の対応が厳しくなっています。
ハンディスキャナは、この法制度にも対応した製品が多く、安心してペーパーレス化を進められます。
スキャン品質も重要です。
OCR(光学的文字認識)の精度が高いスキャンなら、後の仕訳入力も自動化しやすくなり、さらに時間短縮につながります。
クラウド会計ソフト、freeeと弥生で業務フローが変わる

freee会計、自動仕訳とAI機能で月次がラク
freee会計は、銀行口座やクレジットカードとの自動連携により、仕訳作業を大幅に削減できます。
AI機能も充実しており、領収書から自動的に仕訳候補を提案してくれるほどです。
特に、クライアント側が日々の記帳をfreeeで入力しておくと、税理士側の確認作業がグッと楽になります。
月次監査の時間も短縮でき、その分を節税提案などの付加価値の高い業務に充てられます。
何より、freeeは初心者にも使いやすいUI/UXが評判です。
クライアント教育にかかる時間も最小限で済みます。
弥生会計、税理士事務所との連携機能の実績
弥生会計は、税理士事務所での採用実績が豊富です。
13,000以上の税理士事務所が使用しており、税理士側のデータ受け取りや決算書作成の仕組みがよく整備されています。
制度改正への対応も速く、毎年の仕訳ルール変更にもスムーズに対応できます。
安定性と信頼性の面では、弥生会計に一日の長があると言えます。
freeeと弥生会計、どちらを選ぶかは、クライアント層と導入の規模によって判断すべきです。
Google Workspace、意外と税理士業務に最適

Googleスプレッドシート、クライアント管理の神ツール
複数のクライアントを抱える税理士にとって、スケジュール管理は命がけです。
決算期、申告期限、資料回収期限を一覧で管理できるツールが必須です。
Googleスプレッドシートなら、複数人での同時編集も可能で、スタッフ間でのリアルタイム共有ができます。
クライアント側にも共有スプレッドシートを見てもらうことで、「あと何日で期限か」という認識を統一できます。
この小さな工夫が、期限を逃す事態を防ぎ、信頼関係を保つ大きな力になります。
Googleフォーム、クライアントからの情報収集を自動化
年末調整や決算書提出の際に、クライアントから様々な情報を集める必要があります。
メールでやり取りすると、返信忘れや情報漏れが頻繁に起こります。
Googleフォームなら、必須項目を設定し、自動的にスプレッドシートに集計されます。
回答漏れはフォーム側で検出され、クライアントに「未入力項目がある」と通知されるため、情報漏れが激減します。
音声キーボード、手書き・タイプが減る新時代
音声入力で、メモ入力の時間を圧倒的削減
クライアント対応時や調査の現場では、手書きでメモを取ることが多いです。
その後、オフィスに戻ってからパソコンに手入力する…という工程が毎日積み重なります。
音声キーボード(例えば、Google Pixelに搭載される機能など)なら、話しかけるだけでテキスト化されます。
その場でメモをテキストに変換でき、後の整理作業がぐっと楽になります。
議事録作成や顧問先への説明内容のメモも、音声入力で高速化できます。
運転中や移動時間の有効活用
税理士も営業活動で移動することが多いです。
その移動時間を、単なる「移動」で終わらせず、音声メモで簡単な思いついたことを記録しておくと、帰社後の業務効率が大きく変わります。
ノイズキャンセル機能付きイヤホン、集中力の維持が違う
事務所内の騒音をシャットアウト
複数のスタッフが働く事務所では、電話の音、プリンターの音、来客対応の声などで、集中力が散漫になりがちです。
ノイズキャンセル機能付きイヤホンを使い、ホワイトノイズや集中力を高めるBGMを流すだけで、作業効率が劇的に向上します。
決算書の複雑な検算作業や、難度の高い相談対応には、こうした「集中環境の構築」が不可欠です。
顧問先への通話品質も向上
高音質なイヤホンなら、リモート会議でのやり取りもクリアになります。
結果として、誤解や聞き間違いが減り、対応のやり直しも少なくなります。
立ちデスク、体の疲労軽減で頭がクリアに

一日中座りっぱなしからの解放
年末の繁忙期は、一日中座ってデスクワークをすることになります。
腰痛や肩こりが溜まると、判断力が低下し、ミスが増えます。
立ちデスク(昇降式デスク)なら、座った状態と立った状態を切り替えられ、同じ姿勢による疲労を分散できます。
血流が改善され、頭がクリアになるため、複雑な仕訳判断やクライアント対応のクオリティも自然と上がります。
体の疲労管理も、実は税理士の業務効率化における重要な要素です。
スタンディング時間の段階的導入
急に一日中立つわけではなく、最初は1時間に15分程度の立ちデスク時間から始めるのがコツです。
体が慣れてくると、自然と立ちデスクの時間が増えていきます。
よくある質問と回答
Answer 複合機があれば「スキャンはできる」のですが、問題は「スキャンするまでの動作数」です。 席を立って、書類を持っていき、原稿をセットして、PC側で保存先を指定して…という一連の流れが、1日トータルで見るとかなりの時間を食っています。
ハンディスキャナは、その「ちょっとした往復時間」と「操作の手間」を丸ごと削ってくれます。
書類を手に取ったその場でスキャンしてフォルダに放り込めるので、「後でまとめてやろう」が減り、結果的に紙の山ができにくくなります。
特に、領収書や契約書を頻繁に扱う税理士・会計士にとっては、「小さいけれど、毎日確実に効いてくる道具」です。
複合機と競合するというより、「日常の細かいスキャン担当」として役割分担するイメージが近いと思います。
Answer どちらが「正解」というより、「クライアントのタイプ」と「事務所の体制」で考えるのが現実的です。 ざっくり言うと、freeeはクラウド前提で、経理未経験の事業主でも触りやすく、事業の変化にも柔軟に対応しやすい傾向があります。
一方、弥生会計は、長年の実績と税理士事務所との連携ノウハウが厚く、制度対応や決算・申告の安定感が強みです。
特に、既存スタッフが弥生に慣れている場合は、教育コストを抑えられます。
判断の軸としては、
・クライアントがどこまで自分で入力するか
・クラウド前提で動けるか(ネット環境、ITリテラシー)
・事務所内でどの程度ツールを統一したいか
このあたりをヒアリングして、一緒に決めていくと納得感が高いです。
Answer 税理士業務で扱う情報はセンシティブなので、その心配は当然です。 ポイントは「何をスプレッドシートに載せるか」をきちんと線引きすることです。
例えば、
・クライアント名(略称でも可)
・決算期、申告期限
・資料回収の目標日
といった「スケジュール情報」にとどめておき、金額・個人情報・詳細な取引内容などは載せない、という運用にすればリスクはかなり抑えられます。
共有範囲も、
・社内メンバーのGoogleアカウントのみに限定
・クライアント共有シートは別タブに分け、必要最低限の情報だけ
といった形で切り分けておくと安心感が違います。
「全部をクラウドに載せる」のではなく、「載せる情報を選ぶ」という発想が大切です。
Answer 最初に触ったときは、正直「こんなに誤変換が出るのか」と感じるかもしれません。 ただ、使いどころを絞れば、十分に“実用レベル”になります。
おすすめの使い方は、
・会議メモや打ち合わせの要点
・自分用のToDoやアイデアメモ
・顧問先との電話内容の要約(個人名や金額は後から修正)
といった、「あとで整えればいいメモ系」です。
仕訳の摘要欄や正式な文面は、最終的にキーボードで整えた方が安全ですが、「白紙から打つか」「たたき台を音声で作ってから直すか」では、後者の方が圧倒的に速いです。
一気に全業務へ広げるのではなく、「まずは自分のメモ用途から慣れる」という導入ステップが現実的です。
Answer 数字で見えにくいので「贅沢」と感じやすい分野ですが、繁忙期のパフォーマンスという観点では、かなりコスパが良い投資です。
例えば、
・腰痛や肩こりで集中力が落ちる
・事務所の雑音でミスが増える
・夕方になると頭が働かなくなる
こうした「じわじわ効いてくる不調」は、結局、残業時間の増加やチェック漏れにもつながります。
立ちデスクで姿勢を変えられるだけでも、午後のパフォーマンスが変わりますし、ノイズキャンセルイヤホンで集中ブロックを作れば、1時間で終わるはずの仕事が2時間かかる、という状態から抜け出せます。
まずは安価なモデルや簡易的な昇降台から試し、「自分や事務所に合うか」を検証してみるのがおすすめです。
合うと感じたら、そこで初めて本格的なモデルにグレードアップする、という順番であれば、無駄な投資になりにくいです。
