税理士のみなさん、明けましておめでとうございます。
AI導入で少しだけ手が空きそうだ、という方も増えてきたのではないでしょうか。
せっかく生まれたその時間を、「残業を減らす」だけで終わらせるか。
それとも、将来の選択肢を増やす一歩に変えるか。
今日は、「税理士が2026年に副業としてできること」を、AIとの相性という観点から整理してみます。
AI導入で生まれる“余白時間”

AIを入れて得られる一番分かりやすいメリットは、「単純作業の削減」です。
記帳代行、領収書の入力、月次レポートのたたき台作成。
freeeやマネーフォワード、弥生会計のクラウド版にAI-OCRを組み合わせるだけでも、かなりの時間が浮きます。
ChatGPTやCopilotでメール文案や報告書の草案を作らせれば、文章にかけていた時間も短縮できます。
この「1日30分〜1時間の余白」を、何に使うか。
ここに、副業という選択肢が出てきます。
AI導入で浮いた時間を、副業という“第二のキャリア”に投資できるのが2026年のチャンス。
本業を守りながら“実験”できる環境
税理士の良いところは、「本業という安定の土台」があることです。
いきなり事務所をたたんで別のビジネスに飛び込む必要はありません。
AIで生まれた余白時間を使って、オンライン講師、コンサル、情報発信などを“試す”ことができます。
うまくいけば事業の柱にできるし、合わなければやめればいいだけです。
副業というより、「小さな新規事業」と捉えてもいいかもしれません。
税理士だからこそ信頼される領域
AIの情報は世の中に溢れていますが、「税務や会計の現場を本当に分かっている人の話」はまだまだ少ないのが現状です。
だからこそ、税理士が話す「AI×実務」の話には価値があります。
・ChatGPTで税務相談をするときの危うさ
・freeeとマネフォのどちらがどんな業種に向いているか
・AI-OCR導入で本当に時間が減ったのか
こういう話は、税理士しかできません。
だから、副業との相性が良いのです。
オンライン税務コンサル講師という副業

まず一つ目は、「オンライン税務コンサルティングの講師」という働き方です。
イメージとしては、「セミナー講師+顧問契約の入口」のような役割。
Zoomセミナーで“入り口”を作る
ZoomやTeamsを使えば、どこからでもセミナーができます。
テーマは、こんなものが考えられます。
- 「小さな会社のためのAI×経理入門」
- 「freeeとマネーフォワード、どちらを選ぶべきか」
- 「ChatGPT時代の税務相談。何をAIに聞いてはいけないか」
難しいことを話す必要はありません。
普段、顧問先から聞かれていることを、そのままオンラインに持ってくればOKです。
無料セミナーでも、有料でもいいですが、ゴールは「セミナー後の個別相談」につなげること。
ここで、月額のオンライン顧問やスポット相談を提案する形にすると、副業としての売上が立ち始めます。
プラットフォームを使えば始めやすい
いきなり自社で集客しなくても、最初はセミナープラットフォームや学習サイトに乗っかるのも手です。
- ストアカのような講座プラットフォーム
- 税理士会や商工会議所主催のオンラインセミナー
- 企業向け研修サービスの外部講師枠
「AI×税務」「AI×経理」というテーマは、どの団体も今後必ず取り上げたいネタになっていきます。
そこに“現場を知っている税理士”として入り込むイメージです。
中小企業向けAI活用コンサル

二つ目は、「中小企業向けのAI活用コンサルティング」です。
これは、「AIツールの代理店」ではなく、「顧客の現場を一緒に設計する相談役」のイメージです。
税理士がAIコンサルに向いている理由
中小企業が困っているのは、たいてい次の3つです。
- どのツールを選べばいいか分からない。
- 導入しても社内が使ってくれない。
- コストに見合う効果が出ているか、判断できない。
ここに、税理士の強みがかぶさります。
既に顧問先の業務フローや経理体制を知っている
数字で効果検証するのが得意
経営者と定期的に話す関係がある
だから、「AI活用コンサル」は税理士の延長線上にあります。
新しい知識が必要なのではなく、「今やっている顧問業務にAIという切り口を足す」イメージです。
提供メニューのイメージ
例えば、こんなサービスが考えられます。
| メニュー | 内容 | ゴール |
|---|---|---|
| AI導入診断 | 現状ヒアリング、課題整理、導入優先度のマッピング | 「今やるべきこと」「今はやらないこと」を明確にする |
| ツール選定サポート | freee・マネフォ・弥生・ChatGPT・Copilotなどから最適な組み合わせを提案 | ツール迷子を防ぎ、ムダな契約をなくす |
| 導入後の伴走支援 | 3〜6ヶ月の定期ミーティングで、運用状況と効果測定をフォロー | 「入れただけ」で終わらせない運用定着 |
顧問料とは別に、「AI活用サポート料」として月1〜2回のオンライン面談を組み込む形にすれば、副収入の柱になります。
単発のスポット相談として設計しても構いません。
YouTubeで税理士×AIを発信

三つ目は、YouTubeなどを使った情報発信です。
これは、すぐに収益化というより、「数ヶ月〜数年かけてブランドを育てる」イメージに近いです。
何を発信すればいいのか
難しく考える必要はありません。
すでに顧問先から聞かれていることを、そのまま動画にすればいいのです。
例えば、こんなテーマが考えられます。
- 「税理士が見ている、AIニュースの本音解説」
- 「freee・マネーフォワード・弥生クラウド、どう使い分ける?」
- 「ChatGPTに税務相談して大丈夫?危ないパターンと安全な使い方」
- 「AI-OCRを入れたら、記帳代行はこう変わった」
長い動画である必要はありません。
3〜5分の短い解説でも十分です。
「完璧な編集」よりも、「現場のリアル」の方が視聴者には刺さります。
カメラはスマホで十分ですし、編集もCapCutなどのアプリで最低限でOKです。
発信がそのまま“営業”になる
YouTubeの良いところは、「情報発信」と「営業」が同時に進むことです。
動画を見た中小企業の経営者が、問い合わせフォームから相談してくる
顧問先が「先生、あの動画の話もっと聞きたい」と話題にしてくれる
セミナーや登壇のオファーが来る
こうした流れが1本でも起これば、それ以降は加速していきます。
また、「税理士×AI」というテーマはまだ飽和していません。
早めに始めておくことで、「この領域といえばこの人」というポジションを取りやすい時期です。
副業と本業をうまく両立するコツ
副業と聞くと、「本業に支障が出ないか」「時間が足りなくならないか」と不安になるかもしれません。
ここで、AI導入で浮いた時間をどう設計するかが効いてきます。
週1〜2コマからの“テスト運用”
いきなり大きく始める必要はありません。
毎週水曜の夜1時間だけ、オンライン講座
月に2社だけ、AI導入診断コンサル
週に1本だけ、YouTubeに短い動画を投稿
こんな小さな単位でスタートすれば、負担感も大きくありません。
最初の数ヶ月は「やってみる期間」と割り切り、手応えがありそうなものに絞り込んでいきます。
AIで本業も“副業化”してしまう発想
もう一つの考え方として、「本業の一部を半分自動化し、副業のような形にする」という手もあります。
例えば、YouTubeやnoteなどで情報発信を続け、そこで「オンライン顧問」「チャット相談」のメニューを用意しておく。
契約が増えてきたら、その分を本業の顧問先数とバランスを取りながら調整していく。
こうすると、「本業」と「副業」の境目が、少しずつ曖昧になってきます。
将来的に「情報発信+オンライン顧問」をメインの働き方にシフトする道も見えてきます。
AI導入で生まれた時間は、“働き方の選択肢を増やすための投資時間”として使える。
2026年、副業は“逃げ道”ではなく“攻めの選択肢”
最後に一つだけ、大事な視点を共有させてください。
副業という言葉には、「本業が不安だから保険をかける」というイメージが付きまといがちです。
ですが、税理士にとっての副業は、そうとも限りません。
将来、自分の名前でオンラインスクールを運営する“予行演習”
事務所を拡大する前に、「自分自身の市場価値」を試すステップ
AI時代に、自分の役割をアップデートするためのトライアル
そう捉えることもできます。
AIは、税理士の仕事を奪うためのものではなく、「単純作業から解放するための道具」です。
その道具で生まれた時間を、何に振り向けるか。
オンライン講師として知識を届けるのか。
中小企業のAI活用コンサルとして経営の一歩先を支えるのか。
YouTubeで「税理士×AI」の旗を立てるのか。
どれを選ぶかは、人それぞれです。
ただ一つ言えるのは、「何もしないまま1年が過ぎる」のが、いちばんもったいないということ。
2026年は、AIで生まれた“余白時間”を、少しだけ自分の未来のために使ってみませんか。
その小さな一歩が、数年後の大きな選択肢につながっていきます。
よくある質問と回答
Answer
「本格的にやる」かどうかは別として、2026年は“試してみる”にはちょうどいいタイミングだと思います。AIのおかげで、記帳やレポート作成などの単純作業が少しずつ短くなっている事務所も増えています。その余白時間を、最初は週1時間だけオンライン講義の準備に充てる、月に1本だけYouTube動画を撮ってみる、といった小さな実験に使うイメージです。いきなり大きく稼ぐ必要はありません。まずは「税理士として、事務所以外の場所でどんな価値を出せるか」を探る時期、と割り切ると気持ちも楽になります。
Answer
結論から言うと、十分可能です。大人数の前で流暢に話せることより、「現場で本当に役に立つことを、かみ砕いて伝えられるか」の方がずっと重要です。最初からウェビナーで100人集める必要はなく、Zoomで3〜5人の少人数セミナーから始めてみるのがおすすめです。話す内容も、顧問先に普段説明している「freeeとマネーフォワードの違い」「ChatGPTに税務相談する時の注意点」などで十分です。スライド作りはPowerPointやCanva、原稿作りはCopilotやChatGPTに下書きを出させて整える形にすれば、ハードルもかなり下がります。
Answer
ここで求められているのは、“AIそのものの専門家”ではなく、“中小企業の業務と数字を理解している現場の伴走役”です。経営者が本当に困っているのは「どのAIモデルが優れているか」ではなく、「自社の業務でどこにAIを入れると楽になるのか」「その投資が回収できるのか」という部分です。これは、日頃から経理フローや資金繰りを一緒に見ている税理士だからこそ、判断しやすい領域です。最初は、freeeやマネーフォワード、弥生のクラウド、AI-OCR、Copilot、ChatGPTなど、顧問先でも使いそうなツールに絞って触ってみる。そして「この業種なら、ここに効きそう」というパターンを少しずつストックしていけば、十分“現場に強いAIコンサル”として価値を出せます。
Answer
無理に顔出し・本名出しをする必要はありません。最近は、声だけの解説動画や、スライドと画面収録だけのチャンネルも増えています。例えば、画面にfreeeやマネーフォワードの操作画面を映しながら、「こうすると記帳がここまで楽になります」と解説するスタイルなら、顔を出さなくても十分に伝わります。名前についても、「◯◯税理士事務所の中の人」といった表現にして、事務所ブランディング寄りにする方法もあります。大事なのは、顔やキャラクターよりも、「税理士の目線で話していること」「現場での実体験を話していること」です。そこが伝われば、視聴者からの信頼は自然とついてきます。
Answer
おすすめは、「時間を決めて、かなり小さく始める」ことです。例えば、週1回・1時間だけを副業用の時間としてカレンダーにブロックしてしまう。その中で、「オンライン講座の企画を1本考える」「YouTubeの台本を1本書く」「AI活用コンサルのメニュー案を作る」など、やることを一つだけに絞ります。繁忙期は一時停止しても構いません。大事なのは、“年間を通してゼロの月を作らないこと”です。月に1時間でも続けていると、「これは自分に合いそうだ」「これは合わなかった」という感覚が蓄積してきます。その上で、手応えのあるものに少しずつ時間配分を増やしていく。AIで本業の作業時間を削減しつつ、その削減分の一部を副業に回すイメージが持てれば、無理なく両立しやすくなります。
